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「ねえ、あの頃の自分に、”逃げ道”は見えてた?」
地方の小さな町、閉塞感、くすぶり続ける日常――そんな息苦しい世界を舞台に、ひとりの少年の人生が大きく揺れ動く物語。それが『少年のアビス』です。
主人公・黒瀬令児は、どうしようもない現実を抱えながら、それでも「町を出たい」という小さな希望を心の奥に秘めて生きています。でも、そんな日々の中で出会ったのは、どこか儚げなアイドル・青江ナギ。彼女との出会いが、令児の日常を少しずつ、でも確実に壊し始めていくんです。
この作品のすごいところは、何気ない日常に潜む“異質さ”とリアルな人間模様。息苦しさや切なさに胸がギュッとなるのに、ページをめくる手が止まらない――そんな不思議な魅力に引き込まれてしまいます。
気になったら、ちょっとだけでも手に取ってみてください。令児たちの世界から目が離せなくなります。
少年のアビスとは?その世界観に迫る
『少年のアビス』は峰浪りょう先生による作品
- 連載期間:2020年~2024年(『週刊ヤングジャンプ』掲載)
- 巻数:全18巻で完結
- 発行部数:2022年時点で累計100万部を突破
- 受賞歴:「次にくるマンガ大賞2021」コミックス部門11位
物語の舞台には、大分県日田市に実在する「情死ヶ淵」が登場します。
登場人物たちが使う方言も大分県のものがベースになっています。
「地方の閉塞感」や「人間関係の闇」をリアルに描きつつ、日常に潜む非日常的な出来事が絶妙に絡み合い、読み進めるうちに引き込まれる作品です。息苦しいほどリアルな描写と独特の世界観が、読者に強烈な印象を残します。
作者・峰浪りょう先生について
来歴
峰浪りょう(みねなみ りょう)先生は日本の漫画家です。幼い頃から絵を描くことが好きでしたが、中学生になると小説に夢中になり、小説家を目指して執筆活動を続けていました。しかし結果が出ず、漫画家の道へ進むことを決意します。22歳で初めて描いた漫画が奨励賞を受賞し、2006年には『水面少女・水底少年』で「第58回新人コミック大賞」(青年部門)佳作を受賞。これを機に上京し、本格的に漫画制作に取り組むようになります。
その後、2007年に『唱歌する窓際』でアフタヌーン四季賞のコンテスト佳作を受賞し、連載デビューへの道を歩み始めます。峰浪先生の作風は、人間の心理描写を深く掘り下げながら作品を作り続け、地方の閉塞感や人間模様を描く独特な作風に定評があります。
『少年のアビス』に登場する「情死ヶ淵」は、大分県日田市に実在する場所ですが、峰浪先生自身は日田市出身ではなく、「近いところ」に住んでいたそうです。その経験も作品のリアリティに反映されているのかもしれません。
作風と影響
ホラー映画、特にJホラーから影響を受け、「日常に漂う異界の感じ」を好むと語っています。『リング』や黒沢清監督の作品がその演出に影響を与えているとのことです。
作業スタイル
アシスタントとの連携にはリモート作業を活用し、チャットツールを使いながら全体の進行を把握する効率的な方法を採用しています。
- 代表作品:
- 『溺れる花火』(2009~2010年)
- 『ヒメゴト~十九歳の制服~』(2010年)
- 『初恋ゾンビ』(2015~2019年)
- 『少年のアビス』(2020~2024年)
少年のアビスのあらすじ(ネタバレなし)
主人公・黒瀬令児(くろせ れいじ)は、地方の閉塞的な町で暮らす高校生です。
- 家庭の事情:認知症の祖母、引きこもりの兄、看護助手の母親との生活
- 葛藤:成績優秀で「町を出たい」という願いを心の奥に抱えながらも地元での就職を考えている
そんな彼が出会うのは、アイドルグループ「アクリル」の青江ナギ(あおえ なぎ)。彼女との出会いをきっかけに、令児の日常が大きく揺れ動き始めます。地方の閉塞感と非日常が交錯し、複雑な人間模様が繊細に描かれた物語です。
登場人物紹介:物語を彩るキャラクターたち
黒瀬親子
- 黒瀬令児(くろせ れいじ)
本作の主人公。優秀な成績を持ちながらも、家庭の事情から夢を諦め、地元での就職を考える高校生。町を出たいという切実な願いを胸に秘めています。 - 黒瀬夕子(くろせ ゆうこ)
令児の母親。看護助手として働きながら、引きこもりの兄と認知症の祖母の世話をしています。過労とストレスの中で、令児に冷たく接してしまうことも。
幼なじみ
- 秋山朔子(あきやま さくこ/チャコ)
令児の幼なじみで、同じように町に絶望を抱く高校生。東京の大学進学を目指しています。アイドル「アクリル」のファンでもあり、物語に重要な役割を果たします。 - 峰岸玄(みねぎし げん)
令児とチャコの幼なじみ。暴力的で支配的な性格を持ち、町に対する苛立ちを抱えています。令児をパシリとして扱いながらも、町を出ようとする彼に複雑な感情を向けます。
青江ナギと似非森耕作
- 青江ナギ(あおえ なぎ)
アイドルグループ「アクリル」のメンバー。病気療養を理由に活動を休止し、田舎町のコンビニでアルバイトをしています。彼女との出会いが令児の生活を大きく変えるきっかけになります。 - 似非森耕作(えせもり こうさく)
小説家でナギの夫。夕子の中学時代の同級生。町に戻ってきたことで、彼の存在が物語に波紋を広げます。
少年のアビスの見どころ
『少年のアビス』の魅力は以下の3点です
- 心理描写のリアルさ
登場人物たちが抱える葛藤や苦悩、心の揺れが非常にリアルに描かれています。それぞれが抱える「逃げたいけれど逃げられない」現実と向き合う姿は、読者の共感を呼び、「自分にもこんな感情があった」と感じる人も少なくないでしょう。繊細な心理描写が物語に深みを加えています。 - 衝撃的な展開
物語は一見静かに進むものの、予想を超える展開が待ち受けています。登場人物たちの選択や行動が絡み合い、思いもよらない方向へ物語が進んでいくため、ページをめくる手が止まらなくなること間違いなし。印象的なセリフやシーンが随所に散りばめられ、心に強烈な印象を残します。 - 美しい絵柄と独特の空気感
峰浪りょう先生の緻密な作画が、作品の世界観を際立たせています。美しい絵柄と独特のコマ割り、演出が、閉塞感のある日常と非日常の出来事を鮮やかに描き出し、物語全体に張り詰めた空気を作り上げています。その対比が物語に一層の緊張感と魅力を与えています。
「少年のアビス」はどこで読める?
「少年のアビス」は、DMMブックスやDMMコミックレンタルなどのサービスで読むことができます。
- DMMブックスでは、無料試し読みが可能です。気に入った場合はそのまま購入も可能で、スマートフォンやタブレットからいつでも読めるため便利です。
- DMMコミックレンタルを利用する方法もおすすめです。一定期間レンタルし、お得に全巻を読み進められます。まとめて楽しみたい方に向いています。
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まとめ:「少年のアビス」が描くリアルな葛藤と魅力
地方の閉塞感、逃げ場のない現実、それでも「どこかへ行きたい」と願う心――『少年のアビス』 は、そんな誰もが抱えたことのある感情を鋭く、そして繊細に描き出した作品です。主人公・令児と彼を取り巻く人々の心理描写は驚くほどリアルで、ページをめくるたびに息苦しさや切なさが胸を締めつけます。
何気ない日常に潜む“異質さ”と、非日常が静かに侵食していく展開が、この物語をただの青春漫画にはしません。美しい絵柄と緻密なコマ割りが作り出す独特の空気感は、令児たちの抱える苦悩や絶望を、読者の心にまるで現実のように刻みつけていくでしょう。
「逃げたいけど、逃げられない」――そんな気持ちを抱えたことがあるあなたなら、きっとこの作品の中に、かつての自分や今の自分を見つけるはずです。そして、令児たちがどう道を選び、どこへ向かうのか、目が離せなくなるでしょう。
もし少しでも気になったなら、ぜひ『少年のアビス』の世界に触れてみてください。現実と地続きのようなその物語が、あなたの心に何かを残してくれるはずです。逃げ道を探していたあの頃の自分に、そっと手を差し伸べるように。